IR推進法案成立直前! 緊急特別セミナー開催
~幕張副都心MICE ・IR推進を考える会~
11/10(月)10時30分~11時45分 幕張ベイタウン・コア / メインホール
11月10日(月)、幕張ベイタウン・コア ホールでIR推進法案成立直前の
緊急特別セミナーが行われた。開場の10時から続々と人があつまる、10時30分の開始の時間には地元の経営者や地域住民にいたるまで満席の状態、幕張のMICE・IRについて「もっと知りたい」というニーズは確実に高まっているようです。
・緊急セミナーならではのピンポイントの解説は「解かりやすい」と好評。
テーマは「幕張の過去・現在・未来について」・「わたしたちの生活に関わること」・「具体的には何がかわるのか」、こういったテーマをわかりやすく解説してくれた2人の経営者はそれぞれに幕張の経済を牽引してきた実績がありそれぞれの得意分野において幕張IR誘致実現で何がどうなるのかを明確に示したセミナーとなっています。
今回のIR推進法案成立直前緊急セミナーの講師に抜擢された経営者2名。
▲株式会社幕張テクノガーデン代表取締役社長 藤田 武 氏(画像右側)
テーマは「幕張の街に発展と潤いをもたらしたい」
市民の理解を得ながら、様々な視点でIR誘致のメリット・デメリットはもちろん、課題解決についてもIR先進国の成功事例を参考にMICEとIRを分けてしっかりと説明をしてくれました。
▲ビィー・トランセホールディングス株式会社 代表取締役 吉田 平 氏(画像右側)
テーマは「MICE・IRと幕張の交通の未来について」
未開発ながら、観光資源が豊富といわれる幕張海浜エリア。だがネックはアクセスするための交通手段が非常に手薄と指摘。
事実、言われてみれば「なるほど」と思えるが、課題解決は簡単ではないようです。従来の鉄道を結ぶ交通インフラを整える事で幕張の海浜エリアに多くの人達が足を運べる事を説明してくれました。
吉田 氏が注目しているのはLRT。海外の成功事例、様々な付加価値をつけやすく、交通インフラを低予算で身近にできかつ、世界が注目、導入している次世代型路面電車※LRT(Light Rail Transit)の利便性について解説しています。また、海の交通をしっかり整理すれば、世界で一番空港へのアクセスが早いIRリゾートとして誘致をアピールできる強みがあることで、千葉へのMICE・IR誘致が夢ではないと実感できます。陸、海、空を結ぶ構想が幕張IR誘致で垣間見えました。
新聞などで、千葉、幕張はメガフロート計画(浮島)が取り上げられています、この点では他地域と差別化もしやすく、今ある環境を最大限に活かせる案として有力視されています。
今年6月24日に閣議決定!IRを国家プロジェクトへ
1000万人を2000万人へ!世界からの観光客倍増させる目標が明確化!
「2020年オリンピックイヤーには日本への観光客を倍増達成させたい」
5月30日、シンガポールを視察した安倍総理。
藤田氏のセミナーではIRへのメリット・デメリットを隠すことなく課題化。シンガポール、マカオ等IR先進国を参考にして取り組む事でIR=カジノの認識が強い消費者の視野を広げてくれるものであった。
統合リゾート複合施設がIR、対してMICEは会議・セミナー、報奨・研修旅行、大会・学会・国際会議、展示会・見本市などの多くの集客交流が見込まれるビジネスの総称ということがしっかり伝わっています。
国の方針として取り組むIR推進ですが、地元誘致へ向けて2014年7月7日(火)県・市への要望書提出が行われた。
7月22日(火)幕張ベイタウンにて市民向けの勉強会がスタート。
各地が地域活性化の起爆剤、市民の生活に直接影響を与える財源確保、住みよい街づくりの起爆剤として誘致に動きを見せている中、千葉でも誘致に向けた動きが拡がりをみせています。
「MICEは幕張にすでにあるのでは?」という声も参考にしている。
▲すでにMICEはあるが機能は十分か?
なぜ千葉県に?幕張に?図解入りスライドでわかりやすく説明している。ではIR実現のための工程は・・・
R実現には国の動きと自治体の動きが同時進行される形になりますが、新聞等では国、県、市等地方自治体と住民の足並みが揃わないと誘致実現は難しいとも言われています。
最後にこれから何が起こる?を藤田社長がズバリ!
・IR推進法案は可決され、IRを誘致するための制度や枠組みも合わせて実現される。
・地域住民達との大きな議論が各地でおこり、誘致活動が活発化。IRを考える事が地域をどうしたいかを地域の人が考えること(地域づくり、町つくりの手法)
・交流人口が増え、常ににぎわう都市の魅力にきづき、IRは地域を活性化する事が露わになる。
・地域社会の合意形成が国による指定の為の必須要件になり、観光振興・地域振興の在り方が新しくなる。
結果、IRの実現は我が国にとり重要な成長戦略の一つ、起爆剤になる。
とまとめた。
★LRTを利用した交通網の充実は街づくり100年の計
街づくり100年の計」最後にこう締めくくった吉田社長。
ベイタウンバスの運営などを任される立場での視点が斬新でした。
吉田 氏は幕張のIRにかぎらず、全てのIRに次世代型路面電車※LRT(Light Rail Transit)が導入されると予測しています。
さらに、吉田氏は千葉海浜地区の交通の特徴を図解、住宅地と駅を結ぶ縦方向の交通は充実する一方で海浜地区と千葉中心市街地を結ぶ交通路線が存在しないと指摘。
また、海岸線に沿った市内各種施設を結ぶ交通機関がないが、羽田、成田空港・東京・銀座間の高速バス路線の充実にも触れました。
さらに、幕張の各空港までの所要時間は30分とした場合、世界一空港に近いIR施設が出来上がる。現在の交通網をLRTでしっかりカバー、もうひとつはこの計画を「100年の計」とした海上交通網の確立にあります。
東京ベイエリアという視点でみた場合、羽田・成田の両空港から
ど真ん中の幕張を起点に海上で繋ぐ最短ルートの交通網が完成するという構想を掲げた。
この海浜エリアの海側の利便性を高め、LRTの導入で交通網ができあがれば人の動きが
活性化する。幕張沖のメガフロート計画も視野にいれた吉田社長の構想。
以前、いすみ鉄道の社長を経験したときに軌道レール(LRT)は文化を育むことを実感したという。
いすみ鉄道社長時代に様々な取り組み、イベント性を持たせる事で2000人規模を動員している。これが次世代型LRTを活かしたIR誘致と地域活性に繋がるというビジョンの元にもなっているようです。
日本でも 広島・松山・富山ではすでにLRT「次世代型路面電車」が活躍していて
海外でも多数のLRTを活用した街づくりの事例があります。
「街づくり100年の計」、IR誘致に大きな期待をもてる講演となった。
最後に質疑応答の際参加者から「こういった海上ルートの調査もしていたはずだが、予算の打ち切りでとまっているのでは?また漁業権等の問題は?」との質問があった。
この質問はMICE・IRがもつ、メリットとデメリットの一つを指摘している。なぜなら 大きな規模での統合型リゾートにおいての収入減の80%が敷地面積にして5%程度のカジノによるものであるという事実がある。
「街づくり100年の計」の吉田社長は、「学校も福祉施設も病院も絶対に必要である、ただそれらを支える予算が限界に近い。IRの経済波及効果はかならずそういう福祉や学校に投入される事を前提としたもの。また、予算の都合でストップしているような計画もスムーズになるのでは?」という意味合いの回答に質問者も納得していた。
現在、千葉県でIR候補となっているのは成田・木更津・幕張です。
国の法整備が整い、誘致の定義や条件が出揃えば、今回の二人の社長が言う、地域活性の在り方、新しい街づくりの形がつくられるようになりそうと期待できる講演でした。