株式会社幕張メッセ 相談役 中村俊彦氏 | 幕張新都心 MICE・IRを考える

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株式会社幕張メッセ 相談役 中村俊彦氏

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幕張新都心の開発に携わり、幕張メッセの代表取締役を経て、現在相談役である中村氏に、MICEの中心である幕張メッセの立場からのご意見を伺った。

 

幕張新都心・幕張メッセができた経緯

 

開発当時、私は県庁にいて新産業三角構想推進室長・企画部次長の任に就いていました。幕張新都心構想には、国際的な業務情報都市の形成を目指し、その効果を全県に拡げていこうという狙いがありました。当時はほとんど何もない埋立地でしたから、人・モノ・情報の国際的な交流拠点としての「幕張メッセ」を新都心の先導施設・中核施設として、県・市主導で設立することとしました。これが呼び水となり、民間の業務ビル群の建設も進み、当時の日本産業界の中心となる見本市の多くが幕張メッセで開催されるまでになりましたから、良い流れだったと思います。

 

 

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平成17年から幕張メッセ社長に就任したのですが、開発当時感じていた新都心の勢い・輝きが、少し停滞しているように感じました。メッセの仕事でも、「遠い」「アフターコンベンションが少ない」といった声を目の当たりにしてアクセスの改善、街の再活性化が必要だなと痛感しました。幕張メッセと新都心は車の両輪ですから、メッセ単体ではなく、街と一緒に活性化に動くことが大切です。現在は、拡大地区に巨大なイオンモールがオープンし、新たな賑わいが生まれていますし、千葉県・千葉市にもご理解をいただいて、政策面でもいろいろ動きがでてきています。

 

インパクトと起爆力の大きいIRへの期待感

 

街の活性化の必要性を痛感していたなかで出合ったのが、今回の「IR構想」でした。
4年ほど前、役所時代の後輩から議員連盟が検討している内容や海外事例などを教えてもらったのがきっかけで、投資規模も数千億と大きく、相当インパクトの大きなものになると感じました。IRオペレーターのアジア地域支配人と別の会合で会う機会があり、日本のマーケットに大変関心を持っているというのも知りましたし、これを本格的に千葉でやってみたい、IRという大きなパワーに乗りたいと思った訳です。同じ頃、幕張エリアの経済人で幕張の活性化を勉強されていたグループがあり、そうした人々とご相談し、更に参加者を拡げて推進力を高めていくため「幕張新都心MICE・IR推進を考える会」を立ち上げることとしました。
現在は、この場を中心として、関係機関との連携のもと県や市への要望、市民向けの勉強会の開催などの活動を行っています。

 

実際に建設するとしたら、その候補地は?幕張でやるメリットとは?

 

個人的には、海側の幕張海浜公園がいいと思います。IR誘致においての幕張の魅力、利点は、なんといっても成田と羽田、都心の中間にあること、メッセなど既存施設が使えること。それから、海が開けてリゾート感が出せること、特に、富士山が見えること。これはマリーナベイ・サンズやワールドセントーサの例を観ても、大きなポイントになると思います。公園、スタジアム、コンベンションホールが現状で揃っているのは、国内でも幕張ぐらいですから、面白いことをやりたいですよね。夢は大きく持って、実現に向けては堅実に、と考えていきたいですね。

 

MICE・IRが誘致できたら、メッセ・幕張にはどういう変化が起きる?

 

エンターテイメント施設、博物館、ホテル等ができれば、国際会議や見本市の誘致にプラスに働くことは間違いないと思います。また、常時の賑わいが生み出されることになれば、アクセスの改善も期待ができると思います。世界から大会社のCEOなどが訪れて、ハイグレードホテルに宿泊してくれれば、地元に落ちるお金も大きなものになります。そこで大きな話がまとまり、それにより千葉県の知名度が上がって…、といった目に見えない波及効果までを含めて考えれば、相当な規模になるでしょうね。

 

 

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IRを幕張に誘致するために必要なもの

 

市長さんの熱意が重要でしょうね。もちろん、市長さん自身は公務で忙しいですから、周辺で準備を進める組織が必要だと思います。当然、県や経済界をはじめとする各界の協力体制が確立し、全県でバックアップするような体制をつくっていくことが必要になると思います。

 

 

プロフィール 中村俊彦氏

昭和44年通商産業省入省。
昭和59年4月より62年6月まで千葉県企画部へ出向(新産業三角構想推進室長等)。
平成17年6月より株式会社幕張メッセ代表取締役社長、平成25年6月より同社相談役。
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