株式会社ストラクス 代表取締役 山本 克己 氏 | 幕張新都心 MICE・IRを考える会

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株式会社ストラクス 代表取締役 山本 克己 氏

「現状維持ではなく成長を」
 幕張IRは千葉の経済発展の起爆剤になる




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建築物の改修や新築施工を行う「株式会社ストラクス」代表取締役 山本克己氏は、千葉県中小企業家同友会の副会長としての顔も持っている。経済と建設両業界の上に立つ山本氏の根本にある願いとは「世界平和」と「成長」。幕張IRに挑む山本氏のお話を伺った。

ビジネスのつながりは世界平和への第一歩

2020年の東京オリンピックで一端日本経済は活性化しますよね。ところが、それ以降の千葉県の経済を活性化したまま維持できる、ドキドキわくわくするものがありません。そこで、IRの誘致が皆を盛り上がる起爆剤になるのではないかと考えています。IRの誘致が決まれば世界のお客様が幕張に増えるので建設業界としても建築が増え、街づくりにも影響を与えます。結果、幕張に限らず千葉県全体の活性化につながるのではないでしょうか。

千葉県中小企業家同好会の副会長として経済界の様々な方面からIRについて聞くと、賛否両論です。その中でIRを推進する人の理由も「幕張や千葉の経済活性化」「街づくり」などそれぞれです。私自身は建設業界の人間としてIRへの関心は持っていますが、人と違う「世界平和を実現できるもの」という観点から、IRを推進しています。私は元々外国人の方々と仕事で関わりたいという強い希望を持っていて、私の会社では「世界平和」を目指しています。世界全体を穏やか、和やかな関係にするには国同士の経済的な結びつきが必須です。例えば、経済的に結びつきが強い国家同士で何らかの摩擦があったら、そのまま戦争が起きると経済に大きなダメージになります。経済的な結びつきが戦争の抑止力にもなりますよね。

世界全体の平和の実現のためには、日本もより外国との経済的な結びつけを深めなければいけません。そのためには、日本人以外の人との付き合いを深めるのが大切ですので、外国人が来やすい街づくりが必要になります。IRは外国人が来やすい街づくりのきっかけになり、日本人が色々な国の人と触れ合える機会がおのずと増えていくでしょう。幕張のIRが世界の人と経済や人的なつながりを持つことで世界平和に、アジアの中で幕張が交流の地の起点として活用されれば良いと思っています。

さらに、インバウンド(観光)頼りの経済は震災が起きると観光客が減るなど、不安定な要素があります。観光よりもビジネス的な経済のつながりを持つ方が、安定的という側面からもIRを推進しています。なお、インバウンドも現在は日本の観光名所に集中していますが、今後は地方に行ったり、団体から個人旅行へ変化したりと、日本全国にインバウンド需要が分散していくでしょう。そのとき、インバウンドの面でも幕張IRが起点地として活用されれば、観光・ビジネスの両面で大きな経済的なつながりが生まれるのではないでしょうか。

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カジノは命がけでやるものではなく、カジュアルな遊び

私は世界のカジノのある都市を訪れた経験から、その国の国民がカジノに対する意識の違いを発見しました。例えば、オーストラリアのケアンズにあるカジノは、気軽に旅行客の時間が空いたときに楽しめるとてもカジュアルなものです。まさに日本人が抱いているカジノの悪いイメージである、生活費をかけるような、命がけで行うものではありません。私も海外旅行に行くと、現地に「カジノはあるか」がとても気になります。昼間は観光に行って夜は食事をして、それから暇になりますよね。カジノがあれば、気軽に空いている時間で遊べます。家族と海外旅行に行ったときは、私はカジノで、子供たちはショーを楽しむことで、空いている時間を気軽に有意義に楽しみました。

どうしても日本人はカジノ、というとギャンブル依存症をイメージするでしょう。逆に私はカジノに依存性はないのでは?と考えています。日本にはパチンコや競馬などほかにもギャンブルはありますが、いずれも現在、暗い、悪いイメージを払しょくするためのイメージアップを図っています。ほかの国のカジノに対する意識と同じように、日本人もカジノへの意識を変えて、遊びの一環と気軽に捉えると良いのではないかと思います。まず、カジノといえば観光客が旅行の合間にやる遊びというのが前提です。さらに、正規のカジノができれば、逆に違法カジノや裏カジノがなくなるのではないでしょうか。

IR誘致で外国の人とつながる機会を持つ

千葉全体へのIR誘致のメリットは、経済の活性化が優先的なイメージにあります。IR誘致は活気のある街づくり、人々が生き生きと暮らしている街づくりにもつながります。極論ですが、街並みはきれいでも人が少ない街より、街並みは汚くても人がたくさんいる街の方が、活気がありますよね。現在の人口縮小の中で、人が集まらないと経済は成長していきません。幕張にIRができれば幕張を中心にした観光や、ビジネスチャンスも増えます。人が増えれば自然と物が売れますので、企業や商店が誘致されます。その結果、人が多く集まる活気ある街づくりができるでしょう。

さらに、カジノがあることは統合リゾートの価値自体も高めます。建設業界としてはIR誘致が決まれば建築も増えて嬉しいですが、今度は作った後が問題です。IRはカジノをやりたい人だけ集めても意味がありません。幕張IRはカジノ整備だけでなく、観光の拠点としてインバウンドの受け入れ先であるホテルや、ビジネスで活用される国際会議場幕張メッセの整備も必要になってきます。幕張IRのイメージが観光やカジノだけに偏らないようにするのが、継続的な経済発展の上で重要です。

カジノができると、街や子供に悪影響という反対意見も聞きますが、そんなことはありません。IRが誘致され幕張に多くの外国人が訪れるようになれば、子供のころから海外の人と触れ合う機会が持てます。私自身は秋田の出身で、外国の人にとても興味がありましたが、なかなか実際に会う機会はありませんでした。外国の人と触れ合う機会は、子供の教育や成長にはとても大切です。子供も含めて、日本人がもっと外国の人とつながる機会を持てば、世界平和にもつながってくると思います。

私は世界のカジノのある街を10カ所ほど訪れました。暗い、賭博場のような治安の悪い雰囲気のカジノ街は、昔ながらのカジノ専門のところばかりです。今はラスベガスやマカオなど、世界のカジノで著名な都市もカジノ専門ではなくショービジネスやレジャー要素を取り入れた明るい街に変化していっています。さらに新しいカジノはカジュアルに遊べる人、レートを高く遊びたい人でフロアを分けるなど、観光客が気軽に遊べる工夫もされていました。韓国のインチョンのカジノも、日本のセガサミーが入っているのでとてもきれいで、気軽に楽しめるカジノでした。

Seaside Heights, NJ, USA August 14, 2010 The Bright Lights of Casino Pier shine brightly in Seaside Heights, New Jersey.  The pier would be destroyed by Hurricane Sandy

幕張IRとは、現状維持から脱却して成長するための挑戦

千葉は東京に近い、空港があるので来やすい、災害もない、気候も温暖、治安も良いと誘致に適している条件が揃っています。さらにメガフロート計画は特に魅力的に感じています。まるで長崎の出島の様にカジノが隔離されているので、カジノに抵抗がある人にも良いイメージを持たれやすいでしょう。さらに埋め立てではないので施工も簡単、パーツは工場で作れるからコストも安く、しかも環境にも良いですし、撤去もしやすいですよね。もしも海洋開発の中でメガフロートが方法として確立されれば、ほかの国でも使えますので日本の技術として輸出もできるでしょう。

建設業界としてもホテル業界としても、千葉でIR誘致が決まれば経済的な波状効果を得られてとても嬉しいです。例えばLRTの線路をひいた後は、駅や店舗などの関連施設が必要になります。線路は大手建設会社が行うとしても、関連施設の建設は千葉地元の建設屋さんがやっていければ良い経済効果が生まれます。さらに、幕張IRによる集客効果が増えれば増えるほど、飲食もホテルも鉄道も、各関連業界への経済的な波及効果がどんどん拡大していくでしょう。

現場

幕張IRの誘致実現に必要なのは、民意の同意。同意失くして実現は非常に難しいです。住民の同意を得るためには、本来のIRのことを知ってもらう必要があります。企業の寿命は30年と言われ、千葉の経済状況を見ると、衰退期に入る企業も少なくありません。千葉の多くの企業が衰退期に入る前に、新しい種を植えないと成長はありません。幕張IRがその起爆剤になればと考えています。

私が中小企業家同友会で幕張IRの説明会をしたところ、若手経営者は前向き、逆に年配の経営者は二の足を踏みがちな傾向にありました。IRを誘致するにはメリットもデメリットもあります。けれども、全ての物事は必ずメリットとデメリット両方を持っています。メリットを増やしてデメリットを減らすにはどうするかを考え、民意の同意を得るのが先決でしょう。

このままでは日本は世界の経済から取り残される可能性があります。今の日本経済は、まさに下りのエスカレーターに乗っている状態であり、立ち止まったままだと、どんどん下がるだけです。確かに現状維持は楽です。しかし、人間は今日より明日、明日より明後日と成長を願う生き物なのです。私は、現状維持で何もしないよりも、もっと良い明日を迎えるために、今後も幕張IRに対するチャレンジを続けたいと思っています。
 
 
プロフィール
山本 克己(やまもと かつみ)
1956年生まれ、秋田出身。
千葉市美浜区にある建設会社「株式会社ストラクス」代表取締役。企業名の「ストラクス」とはドイツ語の「ずっと、まっすぐ」という意味を持ち、自分の信念の道をまっすぐ進む意志を評して命名。建築、新築、改修事業を展開するほか、地域清掃やロータリークラブ活動など、人と人とのつながりや地域貢献に根差した活動にも積極的に取り組む。

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