幕張ベイタウン商店街振興組合 理事長 山根 治仁 氏 | 幕張新都心 MICE・IRを考える会

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幕張ベイタウン商店街振興組合 理事長 山根 治仁 氏

商店街にとってIRは未知数、
地域に密着した立場からみたIRに対する現状




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地域住民の生活に密着した場所のひとつである商店街。IR誘致活動の舞台である幕張に「幕張ベイタウン商店街」がある。幕張の未来の可能性を賭けたIR誘致について、住民との距離も近い商店街の人々の目にはどのように映っているのだろうか。幕張ベイタウン商店街振興組合の山根理事長に話をうかがった。

理事長の持つ商店街を活性化したい思い

幕張ベイタウン商店街は駅から離れており、近年、商店街のにぎわいが失われてきています。この背景から、「Dブロックの公園などを活用し、市民が憩えるような有意義な施設を作って欲しい」などとの要望が出ていました。
Dブロックの活用を含めて8つほどの要望を県に提出しました。ベイタウン商店街としては街を含めて海岸を活性化するには、海岸に施設を色々作るべきと考えています。要望書には温泉を掘る、ドッグランを作る、シーフードレストランを作る、サイクリングロードを作るなどの案を出しています。その後商店街活性化のためのプロジェクトが解散し、現在はDブロックがサッカー練習場になりました。
その後、Dブロックのさらに向こう側の海岸にIR構想ができました。幕張の海の上に浮かぶメガフロートを作る案は、県や市ではなく民間の団体が進めていると聞きました。商店街としても、幕張の活性化は民間の団体が主張して進めたいと考えています。

商店街活性化のためのヒントになるものは色々取り入れようと思っています。そのひとつが箱ショップです。箱のひとついくらで貸して、オーナーを募る取り組みですが、全国の商店街では横浜など箱ショップで成功している例もあります。さらに、箱ショップを囲んで市民が集まる、憩いの場としても成功しているので、それも見学しました。

現在の商店街としての取り組み

幕張ベイタウン商店街は全部で86事業所、店舗数では93店舗あります。ほとんどの店舗や施設が振興組合に加盟しています。幕張ベイタウン商店街振興会組合は平成8年に任意団体として設立しました。その後、政府の助成金をもらうには、任意団体ではなく法人でなくてはいけないので、平成25年に法人化しています。

ベイタウンという地域柄、商店街の店舗はチェーン店のいわゆる雇われ店長や、家族経営で息子さんは経営者ではないなどで若い人にはなかなか商店街活性化のための活動に参加してもらえる機会がありません。よって、幅広い年齢層の人が気軽に参加できて、商店街も活性化できるためのイベントとしてベイタウン朝市や夏祭り、ウィンターフェスティバルなどを行っています。
夏祭りはベイタウンを歩行者天国にします。やぐらをたてて盆踊り大会やジャズフェスティバル、地元の小中学校の吹奏楽部のパフォーマンスなどを催し、毎年8月の最終土曜日に行っています。ベイタウンだけでなく周辺からも色々な人が来てくれて、毎年2万人規模と大盛況です。

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朝市は偶数付きの第三土曜日の8~13時まで開催しています。ウィンターフェスティバルは、毎年11月26日からバレンタインデーまでのイルミネーションイベントです。このイベントに同期してコンサートなども行っています。ベイタウンは夜になると暗くなってしまうので、この街の夜を明るく照らそうという取り組みから始まりました。

幕張ベイタウン商店街は、千葉県知事からも優秀な商店街として表彰を受けています。この商店街は、東京オリンピック開催時のテコンドーとフェンシング、レスリングの競技場のすぐ近くにあります。外国人観光客が多く訪れることを見越して、商店街で英語、韓国語、中国語、日本語4か国語のマップを作ったのですが、こちらが「地域に貢献している」という評価をいただきました。ほかにも、子どもたちに色々なスポーツを体験してもらう3月のスポーツフェスタなども行っています。

今は商店街の店舗数が減ってきて、おしゃれな飲食店などの施設が減り、塾や不動産などのやや実用的な施設や事業所に変わることが多くなりました。もっと地域住民に寄り添った商店街であるためにはどうすればよいかを考え、住民向けに商店街に何を求めているかのアンケートを実施しました。
やはり住民の生活に密着した食生活や文具店、本屋やコンビニなどの店舗が欲しいという結果が出ましたが、家賃や立地条件などの観点から、なかなか住民の希望の実現にはいかない現状があります。

実際に幕張IR誘致にどう考えているか

この街全体で商店街を活性化するにはIRのようなものが近くにできると街の活性化に役立つのではないかと考えています。よって、IRができるのは非常に賛成しているのですが、住民としての立場を考えると、IRはギャンブルの悪い印象があるので、難しいのではないかとも感じています。なお、IR関連の会合には何度も出席しています。

商店街としては、IR誘致を住民に積極的にPRはしていません。民間団体独自のIRに関する講習会などは開かれているので、住民には幕張のIR誘致活動が浸透されつつあるのではないかとも感じています。実際に幕張メッセのIRの説明会に参加したときには、声を大きくして反対意見をいう住民もいました。

商店街の会員、店舗側のIRの反応について


商店街の店舗経営者側から見ると、IR誘致に対する情報は全然入ってきません。賛成か反対かの対話のテーブルにも上がれていない状態ですので、無関心という人も多いかもしれません。少しでもIR誘致に関する情報が入ると、反対運動が上がるのがとても印象的です。

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反対意見は少数でも声が大きいので、多数のように感じてしまう特徴があります。かつて、千葉ロッテ優勝当時のバレンタイン監督になぞらえて富士見通りを「バレンタイン通り」へ名称変更する時には反対運動が盛んに行われていました。現場から見ると多くの人が反対であるように見られましたが、世間ではあまり知られていませんよね。
店舗の何割がIR賛成かも、各店舗にIRについての意見を求めることがないので分かりません。店舗ではない塾などの施設では、地域ごとに無関心の場合も多いです。IRについては、情報がここまで来ない、というのが現状です。

IRに対してのイメージ

ラスベガスとフランスの小さいカジノに行った経験から、IRの根本にあるカジノは大人の社交場というイメージが強いです。ラスベガスのカジノはカジュアルでしたが、フランスのカジノは身分証明書として提示するパスポート必須、パーティドレスでなくても一定のドレスコードもありました。
また、海外のカジノに怖さは全く感じませんでした。映画のように、裏でギャングが暗躍しているという雰囲気ありません。劇場があって一流のアーティストが演奏している、素晴らしいショーを開催しているなど、まさに大人の遊び場であり、エンターテイメントの集大成という印象です。

ギャンブル依存症というマイナスイメージがありますが、カジノを利用するすべての人がお金儲けや、依存するほどギャンブルにのめりこむというわけではありません。なので、私はあってもよいと思っています。IRのようなまさにおしゃれな大人のための場所が幕張にできれば、とても素敵だと思います。元々競馬場もフランスやイギリスなど大人の社交場として発展しました。

日本のカジノ法案の一環で、ギャンブル依存症防止のために時間制限を設けるなどの意見もあります。まだ手元にあまり情報が入ってこない状態ですので、しばらく幕張やIRに対してどんな動きがあるのかを見てみたいと思います。

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プロフィール
山根治仁(やまね はるひと)
広島県出身。日本テレビ入社後、文字放送の発展など手掛けるなど多くの実務経験を積む。日本テレビ退社後、幕張ベイタウンに「ギャラリKIKI」を開業。自らが撮影したベイタウンの四季折々の写真などを展示している。ベイタウン写真クラブ発足、3代目幕張ベイタウン商店街振興組合理事長に就任後、地域や商店街活性化のための取り組みを積極的に行っており、現在も活動中である。

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