千葉県千葉市長 熊谷 俊人 氏 | 幕張新都心 MICE・IRを考える会

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千葉県千葉市長 熊谷 俊人 氏

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熊谷市長に、千葉市としてのIR導入に対する考えと今後の動き、
そして地域住民の方々へのメリットについてお伺いした。

 

千葉市としてIR導入への最初の一歩を

 

2013年度、千葉市としては「幕張新都心室」を新設し、今年度の予算でIRの導入可能性調査を行っています。
当然千葉県内では初めての予算化になります。

 

重要なポイントは、県でも同様の予算をつけて調査を行うということです。
千葉市と千葉県、それぞれの担当者が話し合い、幕張・千葉市の状況も合わせて進めていくことになっています。

 

まずは行政というパブリックな部門がIR導入を検討する場合、
・千葉市ではどこになるのか
・また導入した場合にどのような効果があるのか
・デメリットとしてどんなことが想定されるか、どういう解決策があるのか
・外国の状況はどうなのか

 

これまで民間を中心に進めてきたことを、行政というパブリックな立場として改めて資料化するというのが大きなポイントになります。今年度中に資料をまとめ、次年度の仕掛けにつなげていく、まさに最初の一歩を今踏みしめつつあるというのが
2014年7月現在の状況です。

 

可能性を秘めた幕張に、投資を呼び込む起爆剤

 

IR導入の意義は、なんといっても経済波及効果が大きなポイントでしょう。他の施策に比べてはるかに大きい。
また、元々幕張新都心にはコンベンションシティ、MICE都市としての位置づけがあるのですから、あとは足りないピースを追い求めるだけ。
そういう意味で、幕張のアイデンディティとしては極めて当たり前で、重要な選択肢であると考えます。

 

IRがなくても幕張新都心はまだまだ可能性を秘めています。
ただ、投資を呼び込むひとつの起爆剤という意味ではIRという要素は大きなものです。IRがすべてではないですが、MICEであり、幕張新都心が目指すべき方向性の中でIRが起爆剤になりうるものだと思います。
第一の矢が幕張新都心の崩れてしまった理念の再構築、第二の矢が幕張海浜公園を含めた海辺のリニューアル、リビルド(再建)。第三の矢がIRによる経済の安定。そして、その後に来るのは交通機関。LRTを含めた海辺部分、幕張全体の交通アクセスの改善。
ここまでが必要になってくると思います。

 

 

候補地選びに関して千葉県に望むこと

 

県内にいくつかの候補地がありますが、経済的な数値で普通に考えれば幕張新都心になると思います。
ただ、大切なことは県がそれを決められる体制と勇気と決断があるかどうかですね。この部分に関しては、我々にとっては未知数です。
千葉市が県に求めているのは、県が基礎データを確認した上で、「自治体がやる気を持って手を上げるのであれば県は応援する」とはっきり表明して欲しいということです。

 

 

幕張のどこにIRを

 

幕張新都心での候補地については、可能かどうかは別として、メッセの駐車場と幕張海浜公園。
現実的にはこの2つだと思いますね。メガフロート案も大きな構想としては面白い。ただ、残念ながら日本の場合、これの構築には20年くらいはかかると思いますね。
実現すれば最高ですが、漁業権の兼ね合いなどもあり、極めて困難かなと思います。

 

 

シンガポール視察で感じたこと、組むべきパートナーとは?

 

一昨年、シンガポールに視察に行きました。
経済環境、都市環境は全然違いますし、マリーナベイサンズのようなものを日本で作れるのか、作るべきなのかは別として、導入への取り組み方、考え方という意味では、シンガポールは非常に参考になると思います。

 

一部の外資のビジネスモデルはすべて独占で、更地に対してカジノ、ホテル、コンベンション、ショッピングセンター…、すべてを作って全部トータルで儲かる仕組みです。サンズがきてくれれば有り難いですが、幕張新都心のようにカジノと他に少し作れば良いという環境では、彼らにしてみればちっぽけなビジネスになってしまう。うま味はあまりないでしょうね。

 

カジノ事業者はたくさんいますから、パートナーは考えていかなければいけないと思います。
具体的に業者の候補を決めてはいませんが、勝ちうる提案をしてくれるところと組みたいと思います。

 

 

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外資参入によって地元がマイナスに?そんなことはありません

 

所得が一気に上がって消費に回ってくる。雇用が生み出されるということは決してマイナスにはなりません。
確かに中小規模の場合は短期的には厳しいと思います。ただ、イオンモールの例もありますが、IRは個人商店とバッティングするビジネスではないと私は考えています。個々のビジネスをされている方々にとっては、むしろチャンスになる可能性もあると思います。

 

ですから是非、カニバリズム(市場の食いあい)をせず、大きなビジネスでできる限り広い商圏でお客を集め、商店街もそれをどう引っぱりこむかという戦略を立てる。
ポジティブ要素としてとらえて頂きたいですね。

 

 

カジノ財源を民間に還元するのが絶対条件

 

仮にカジノが来れば、コンベンションや幕張新都心全体の位置づけをある程度変え、場合によっては投資をしていくのが大きな流れになるのは間違いないでしょう。
コンベンション、スタジアム、ホテル、公園なども含め、一定期間経っているものばかりですので、状況に応じて連動していくというのは当然のことです。

 

カジノの売上の中からどれだけ地域に還元され、治安、教育にどれだけ予算がまわせるのかというのは絶対条件です。
具体的に言えば学校がどれだけ良くなるのか、治安対策にどれだけ予算をかけ、治安が良くなるのか。これはマストの条件です。絶対にそうならなければならないし、他国の事例を見てもそうです。
住んでいる人の生活者目線で、直接的に周辺地域にメリットが出るのかというのが保障されなければ絶対にダメ。そこは守っていかなければならないと思います。

 

 

全国に向けて、千葉市がアピールすべきポイントは?

 

千葉市の良いところは、羽田空港、成田空港からの至近性。コンベンションとしての基礎基盤。
これらが大きなポイントになるでしょう。

 

そしてIRに対してかなりの総意となってきていること。経済界、議会、民間団体など、様々な形で動いている。市議会のほとんどの会派は、むしろ「市長、もっと頑張らんか」と言ってくださるほどの積極派です。態度を表明していない党、反対されている党。これは全国どこでも同じ傾向だと思います。

 

例えば大阪は先行して動いており、有利とも言われています。ただ、政治案件化し、政局の中に入ってしまっています。実際には、街としての総合的な意見であることを前提に、それぞれが動いていくことが大事ですから、千葉は良い意味での既成事実が積上ってきているのではないかと思っています。

 

これから国の計画としてIRが具体化してくると、かなり全国的な反対運動が仕掛けられ、政府は苦慮するでしょう。そのときに、仮にベイタウンや地域住民の方々が理解派であるならば、これは最も重要で、大きな有利な条件になると思います。地域住民の理解を得られうる場所であれば、我々にとっては大きなポイントではないかと思います。

 

プロフィール 熊谷 俊人 氏

2007年、千葉市議会議員選挙(稲毛区)に立候補し当選。2009年に、当時全国最年少の31歳で千葉市長に就任。2013年、2度目の市長選挙に当選し、現在に至る。
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